非流暢な発話を特徴とし復唱も障害されているが、聴覚的理解が比較的保たれた失語である。
大多数の例で発語失行を伴い、発話の量は減少し努力性に1語ないしは語数の短い文を話す程度である。喚語困難も強い。文を表出する場合、文法構造が単純化することが多く、電文体となる失文法がみられることもある。さらに、常同言語しか発することができない例も少なくない。再帰性発話がみられることがある。音韻性錯誤、語性錯誤もみられる。
聴覚的理解は、日常物品に関しては名称を聞いて1つずつ指示することが大体可能である。しかし、2つ以上の物品を順番に指し示す二段階命令のレベルですでに障害を明らかにできる事も多い。また、継時的・文法的理解は障害されている。
復唱は自発話よりもやや良好な場合があるが、前述のような発話障害の特徴を伴う反応を示す。呼称は障害されているが、語頭音ヒントが有効な場合がある。